繁殖工場
犬や猫の保護活動をしている団体の代表の方、また個人で保護活動をなさっている方などから、立て続けに 『崩壊した繁殖工場』 の写真を見せて頂きました。
ほとんどが、ミニチュアダックス・トイプードル・チワワ・マルチーズなどの小型愛玩犬です。
もう、本当に「悲惨」の一言です。
繁殖犬が身動きもままならない程、小さなケージが天井近くまで積み上げられ、汚物にまみれたり、皮膚病を患っていたり、爪が螺旋状に伸びていたり・・・
こういう繁殖工場から 『かわいい仔犬』 がペットショップへと送り出され、母犬が置かれている状況など想像すらしないお客さんたちが、「キャー カワイイ~!」と歓声をあげながら仔犬を抱け上げている訳です。
一方こういう話を書きますと、一部の保護団体や保護活動家の方々のなかには、『そもそも、純血種など居るから、いけないのだ。全ての犬が雑種になれば繁殖にまつわる様々な禍根は無くなる』 とか 『全てJKCとペットシッョプが悪い』 とか、極論を言い出す場合があるのですが、これも私は どうかと思います。
サラブレッド程ではないにしろ、先人が数百年の時を連綿としてスタンダードを維持してきた犬種もある訳で、先人たちが作出した犬種を未来へと橋渡ししていく義務と責任というものが、現在を生きる我々には、あると私は思います。
「繁殖工場」の特徴は、人気の小型犬種を何種類も繁殖していることです。
トイプードル専門 とか ミニチュダックス専門 とか、犬種を限定して繁殖している「繁殖工場」は、まずありません。
薄利多売をするためには、単犬種の少量繁殖では成り立たないのでしょう。
以前、私が大学生時代に下宿の近くにある骨董屋さんに足しげく通い、その骨董屋のおばちゃんから 『骨董市などに通うのではなく、博物館や美術館に通って本物や一流のものだけを見なさい。 本物だけを見続けて、目を養えば、まがい物を見た時に、違和感を覚えるはず。 とにかく、本物を見て学びなさい』と言われた話を、ご紹介しました。
繁殖いう世界も、とても奥が深いと私は思います。
各犬種には、スタンダードというものがあり(姿、能力の両面で)、そのスタンダードという 「目標」 に向って、ブリーダーさんたちは、ショーを見学したり、書籍で学んだり、繁殖の試行錯誤を繰り返したりします。
言わば、より理想に近い姿を追い求め、研鑽を積んでこそのブリーダーな訳ですが繁殖工場の経営者には、金勘定はできても、 「理想に向って研鑽を積む意志」 はありません。
そして、この 『繁殖工場』 が成り立つ片棒を担いでいるのが、我々 犬の飼い主であると言えます。
自らが求める犬種も決めぬまま あるいは 愛犬と、どのような生活をしたいのかを考えることも無く、ペットショップにふらりと立ち寄って、仔犬を抱きあげて、歓声をあげて衝動買いしてしまう飼い主さん・・・
『自らが愛犬と、どのようなドッグライフをおくりたいのか』 というビジョンをきちんと持ち、それに適合した犬種候補を選択し、選択した犬種を心から愛し研鑽を積んでいるブリーダーさんを訪れ、実際に親犬を見たうえで 人生の相棒とするか否かを、きちんと判断する・・・
多くの愛犬家が、このような手順を踏んで仔犬を選択するようになれば、繁殖工場は立ち行かなくなります。
「繁殖工場」という業態自体、多くの問題を抱えておりますが、多くの問題を抱えつつも 「業」 として成り立たせているのは、我々消費者側(飼い主側)であることを忘れてはならないと思います。
で、話はガラリと変わりますが 本日はソロモンと野原でレトリーブ練習。
朝から暑かったので、あえて水たまりを利用して 『水しぶきレトリーブ』 にしました。
そして、今日 気がついたのですが ニパニパ笑っていない時のソロモン君は、随分 表情が大人びてきた気がします。
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by gundogclub
| 2014-05-22 14:36
| MY TALK