「興奮させない生活」が大切なのではない!
フラウとクワンの、紐付きボールを使ったレトリーブ競争・・・
フラウもクワンも、放物線を描いて飛んでいく紐付きボールを一心不乱に追いかけます。
「目の色を変えてボールを追いかける」という点では2頭とも同じなのですが、2頭には大きな違いがあります。
それは、「聞く耳を持っているかどうか」 ということ。
どんなに目の色を変えて必死の形相でボールを追いかけていたとしても、呼び戻しの笛を吹くと、フラウ姐さんはボールを追いかけるのを中止し、Uターンして私の足元まで戻ってきます。
これに対し、クワン(エステルもですが)は、短い距離でのレトリーブ競争でしたら、呼び戻しの笛に応じてボールを追いかけることを中止し私の足元まで戻ることが出来ますが、長い距離でのレトリーブ競争で、行き足がつき、スピードに乗ってしまうと、もはや笛の指示には従いません。
2頭の違いは、 「意欲旺盛だけれども冷静」 なのか 「意欲と興奮が一緒くたになっている」 かの違い の様に思います。
しかし、「興奮しなければ聞く耳を持てるなら、興奮させる様なことを、しなければ良いのだ!」という訳ではなく、 「興奮していても、聞く耳も持ち合わせている」 ことが必要だと私は考えています。
最終的には、「意欲旺盛でかつ冷静」 というレベルが理想的だと思いますが、 その前段階として 「興奮=聞く耳が無い」 ではなく 「興奮≠聞く耳が無い」 愛犬に育て上げる訓練(練習)をすることが必要なのではないかと・・・
保護ガンドッグ(ポインターやセッター)と暮らし始めた方から 「散歩の時、公園などで鳥を見つけると、興奮してしまって大変で・・・」 などとご相談を受けることがあります。
「鳥に興味を持たない様に、鳥を見たら座らせてオヤツで釣って飼い主に注目できる様にしましょう!」 とアドバイスをするトレーナーさんも、いらっしゃるようです。
また、「なるべく、鳥が居ない場所を探して散歩しましょう!」 とアドバイス(回避法) をするトレーナーさんもいらっしゃるようです。
でもね、私は ガンドッグは鳥に興味があって、鳥を見て興奮するのは普通のことだと思うのです。
鳥に興味の無いガンドッグに無理矢理、興味を持たせる必要は全くありませんが、さりとて意図的に興味を喪失させる練習をする必要は無いのではないかと・・・
お年寄りが縁側でのんびり、日向ぼっこをしている様な、はんなりとしたドッグライフがお望みなら、何もポインターやセッターを選択する必要はありません。
大切なのは、鳥を見つけてリードを引っ張ったり、後肢で立ち上がって二足歩行で駆け寄ろうとしたり、大興奮の中にあっても、飼い主さんの声が聞こえる様に練習を続けていく事だと思います。
綺麗事を言っている様に聞こえるかもしれませんが、スクールの野原組のポインターやセッターたち・・・ 野原組に参加間もない頃は大興奮で、鳥を見て あるいは匂いを追いながら野原を駆け回り、飼い主さんの指示も聞こえない、飼い主さんの姿も目に入らない状態ですが、やがて例外無く、指示の声や笛が聞こえ、且つ飼い主さんの位置を自ら確認しながら走り回るように成長していきます。
「勉強の邪魔になるから!」 と、テレビゲームを買い与えなかったり、テレビケームをすることを禁じたり「管理」 することは、たやすいかもしれません。
でも、子供は親に隠れて小遣いでゲームを買ったり、あるいは 「友人の家で勉強する」 と言って出かけ、実際には友人宅でゲームに夢中になっているかもしれませんよね。
「管理してゲームをさせない」 のではなく これも綺麗事に聞こえるかもしれませんが、 「ゲームもやるけれど、自発的に勉強もする子」 に育てることの方が、難しいけれど大切なのではないかと・・・
ちなみに、ここからは単なる親バカ自慢(と言うか、犬の奥さん自慢) なので聞き流して頂いて結構ですが、フラウ姐さんは 空中を飛んでいるフリスビーを追いかけている最中でも、呼び戻しの笛が鳴れば戻ってきますし、目の色を変えて野ウサギを追いかけている時も、たとえ 「あと一歩で追いつく!」 という時でさえ、笛を吹けばUターンして戻ります。
野ウサギを追いかけている時などは、フラウ姐さんもかなり興奮している筈ですが!
愛犬を興奮させない様な 「お年寄りの日向ぼっこ的ドッグライフ」 が大事なのではなく、 「興奮した(させた)としても、冷静に聞き判断できる耳と頭があること」 こそが大事なのだと私は思います。
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by gundogclub
| 2012-07-06 00:02
| MY TALK