犬と一緒に育つ赤ちゃん
今から12年ほど前、私の実家にマルチーズのラブちゃんが迎え入れられました。
それから10年間、ラブちゃんは私の実家で暮らし、特に母が逝去した後の3年間は、年老いた父の唯一の伴侶として父を支えてくれました。
一昨年の12月に、あたかもシャドーを追うようにシャドーが天国に旅立って数週間でラブちゃんも天国へ旅立ちました。
ラブちゃんは、元の飼い主さんが飼育放棄をした犬でした。
シャドーの掛かり付けの動物病院の掲示板に「里親募集」の張り紙が掲示されていた白い小さなマルチーズ・・・それがラブちゃんでした。
ラブちゃんとのお見合いの日、実家の両親と私が飼い主さんをお迎えしたのですが、ラブちゃんの飼い主さんは20歳代後半~30歳代と思われる、ご夫婦でした。
元々は独身の時から、ご主人がラブちゃんと暮らしていて、結婚した時にラブちゃんも連れて生活が始まったのだそうです。
ご主人の言葉からは、ラブちゃんに対する愛情、そして「本当は別れたくないのだ!」 という本音を感じました。
対して奥さんの口からは、ラブちゃんに対する愛情や惜別の寂しさなどは感じませんでした。
そして、奥さんは 仰いました。
「私は今、妊娠しております。 これから二人の子供が生まれるわけですから、犬に愛情のはけ口を求める必要もなくなります。 それに、私の両親、そして私もですが 妊婦が暮らす家に動物がいることには、非常に抵抗がある のです!」 と・・・
奥さんの、あまりのストレートな本音に驚きました。
つまり、元々 旦那の連れ子(苦笑)に、愛情も湧かなかった処に、ちょうど妊娠と言う口実が出来たものだから、嫁と嫁の実家が束になって圧力をかけ、生木を裂くように、ラブちゃんを可愛がっていたご主人に、ラブちゃんを放棄させようとしたわけですな。
ラブちゃんの譲り渡しの日・・・ ご夫婦でラブちゃんを私の実家まで連れて来たものの、奥さんは車から降りませんでした。
ご主人のみ、ラブちゃんを抱いて我が家に入り、長い間 惜別を惜しんでいました。
何度も抱きしめて、涙ぐんでいましたもの・・・
ところで、 「妊娠したから とか 子供が出来た(生まれる or 生まれた)から」 という口実は、この奥さんに限らず、わりと聞く ”犬の放棄理由” です。
里親募集サイトなどでも、元の飼い主さんの飼育放棄理由として 「飼い主さんご夫婦に赤ちゃんが生まれた為・・・」 などと記載されていることがあります。
私は、「子供が生まれる」ということが、飼育放棄の理由として正当なものだとは思いませんが、「錦の御旗」のように 「子供が生まれるのだから、仕方ないでしょ!!」 という論理がまかり通っているみたいです。
まあ、「じゃあ、子供なんて作るな!」 という暴言を吐くわけにもいきませんし・・・
「情緒教育のため」 とか 「生き物を可愛がる優しい心が育つ」 とか 「命の大切さを教える」 などの抽象的で曖昧模糊とした理由以外に、具体的な「小さな子供の居る家庭で愛玩動物と暮らすメリット」はないものか?・・・と、ここ数年 考えていたのですが、先ほど 一つの説が発表されました。
それは 「犬と一緒に育つ赤ちゃんは病気に強い」 という説です。
<以下抜粋>
犬が飼われている家庭で育つ赤ちゃんは、感染症や呼吸器疾患にかかるリスクが減るとの調査結果が、9日の米小児科専門誌「ピディアトリクス(Pediatrics)」に掲載された。
論文ではこの理由について詳しく説明していないが、毎日ある程度の時間を屋外で過ごす犬が周りにいることで、生後1年内の赤ちゃんの免疫力が高まる可能性があるとしている。
今までは、「赤ちゃんや小さな子供さんの居る家庭で愛玩動物と暮らすデメリット」 が強調(それも根拠に乏しい俗説や因習も含め)されてきた感がありますが、少なくとも 「メリットとデメリットの両面がある」 という程度には認識されて、 「ペット = 妊婦や新生児の敵」 という意識が変革されることを願っています。
次男が抱っこできるほど、小さかったソロモンも、今では・・・
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by gundogclub
| 2012-07-13 11:32
| MY TALK