8週齢規制
昨年の12月、スイス在住の日本人ご夫婦が一時帰国をなさった折に、愛犬の飼育に関する事前講習を行いました。
スイスでラブラドールレトリバーの男の子をブリーダーさんに予約しようとした時、ブリーダーさんから「譲る要件」の一つとして、この飼育前の事前講習が義務付けられていたそうです。
昨年末に日本からスイスに戻られたご夫婦の元に、今年の1月にラブラドールレトリバーの男の子がやってきました。
この時の様子は スイスからの手紙 というタイトルで、ご紹介させて頂きました。
そして昨日、ファビオ君と名づけられた、このラブラドールの近況写真を添えたメールを、ファビオ君のママから頂戴しました。
ファビオ君は 「平日はシティーボーイとして都市生活を楽しみ、週末は川や湖でカントリーボーイとして過ごす」 という理想的な生活を満喫しているようです。
生後10ヶ月齢の、ヤンチャ坊主・・・
ところで、ファビオ君が、このご夫婦の元へ来たのは生後4ヶ月を過ぎた頃でした。
このスイスのブリーダーさんは 「生後120日(生後4ヶ月)を過ぎるまでは飼い主に引き渡さない」 と決めているのだそうです。
ここ1ヶ月ほどの間に、私が躾教室を開催している何箇所かのペットショップのオーナーさんから 「生後8週齢規制に反対する陳情書」 への署名を求められました。
8週齢規制に関しましては、こちらをご覧ください。 ペット販売「8週齢規制」の行方
ちなみに、陳情書への署名は、全てお断りさせて頂きました。
ヨーロッパや米国において 「幼齢動物の販売規制」 が、生後8週齢未満の販売を禁止していることに準拠したと思われる法案改定(動物の愛護及び管理に関する法律)が日本でも審議されておりますが、この改定案に対し、日本のペット業界は必ずしも賛同しておりません。
ペット業界では 「45日規制」 という自主規制(生後45日未満の販売を規制)を設け、これを「業界側の改定案」として関係省庁へ陳情する動きもある様です。
生後8週齢未満の販売禁止はペット業界にとっては死活問題で、45日なら何とか守れる・・・
8週(56日) と 45日 には 10日前後の差しかありません。
しかし、この 「僅か10日間」 がペット業界にとっては死活問題になってしまうという現実。
そして、考えなければならないのは、この10日間の差を死活問題にしているのは需要側(飼い主側)だということです。
カワイイ盛りの生後30日~45日程度までは売れるけれど、それを過ぎると売れ行きが悪くなる。
値段を下げて売らないと、売れない。
売れないから、店には置いておけなくなる。
売れ残りを専門に扱う別の業者に安値で譲るか、最悪 処分せざるを得なくなる・・・
その原因の、かなりの部分は 「まぁ カワイイ!」 という感情だけでショーケースに並んでいる生後30日の子犬を衝動買いする需要側(飼い主側)にある のではないでしょうか?
「売るからいけない」、「ショーケースに生後30日の犬を陳列するからいけない」 ・・・ だから悪いのはペットショップ側である ・・・ そのご意見も理解できます。
しかし、ペットショップは営利を目的としている訳ですから、「買う人がいなければ」 生後30日の犬を陳列したりしはません。
勿論、私は子犬を陳列ケースに入れて販売するという現在の方法を肯定する気は全くありませんが、生後30日や40日の子犬を買い求める人が誰も居なくなれば、好むと好まざるとに係らず、ショップ側も現在の販売方法を変えていかざるを得なくなると思うのです。
「生後8週齢までの販売を禁止」 などと規制をかけるまでもなく、飼い主側が 「カワイイ!」と言う衝動ではなく、「犬と、こんな暮らしがしたい」、「こんなことをしてみたい」 という夢や目的を、きちんと持ち、その夢や目的に合致した犬種を選定する意識をきちんと持つことが出来てこそ、上っ面の数字(○○週齢まで販売禁止等)だけではなく、「愛犬と共に暮らす意識」が動物愛護先進国である欧州に追いつくことが出来るのだと思います。
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スイスでラブラドールレトリバーの男の子をブリーダーさんに予約しようとした時、ブリーダーさんから「譲る要件」の一つとして、この飼育前の事前講習が義務付けられていたそうです。
昨年末に日本からスイスに戻られたご夫婦の元に、今年の1月にラブラドールレトリバーの男の子がやってきました。
この時の様子は スイスからの手紙 というタイトルで、ご紹介させて頂きました。
そして昨日、ファビオ君と名づけられた、このラブラドールの近況写真を添えたメールを、ファビオ君のママから頂戴しました。
ファビオ君は 「平日はシティーボーイとして都市生活を楽しみ、週末は川や湖でカントリーボーイとして過ごす」 という理想的な生活を満喫しているようです。
生後10ヶ月齢の、ヤンチャ坊主・・・
ところで、ファビオ君が、このご夫婦の元へ来たのは生後4ヶ月を過ぎた頃でした。
このスイスのブリーダーさんは 「生後120日(生後4ヶ月)を過ぎるまでは飼い主に引き渡さない」 と決めているのだそうです。
ここ1ヶ月ほどの間に、私が躾教室を開催している何箇所かのペットショップのオーナーさんから 「生後8週齢規制に反対する陳情書」 への署名を求められました。
8週齢規制に関しましては、こちらをご覧ください。 ペット販売「8週齢規制」の行方
ちなみに、陳情書への署名は、全てお断りさせて頂きました。
ヨーロッパや米国において 「幼齢動物の販売規制」 が、生後8週齢未満の販売を禁止していることに準拠したと思われる法案改定(動物の愛護及び管理に関する法律)が日本でも審議されておりますが、この改定案に対し、日本のペット業界は必ずしも賛同しておりません。
ペット業界では 「45日規制」 という自主規制(生後45日未満の販売を規制)を設け、これを「業界側の改定案」として関係省庁へ陳情する動きもある様です。
生後8週齢未満の販売禁止はペット業界にとっては死活問題で、45日なら何とか守れる・・・
8週(56日) と 45日 には 10日前後の差しかありません。
しかし、この 「僅か10日間」 がペット業界にとっては死活問題になってしまうという現実。
そして、考えなければならないのは、この10日間の差を死活問題にしているのは需要側(飼い主側)だということです。
カワイイ盛りの生後30日~45日程度までは売れるけれど、それを過ぎると売れ行きが悪くなる。
値段を下げて売らないと、売れない。
売れないから、店には置いておけなくなる。
売れ残りを専門に扱う別の業者に安値で譲るか、最悪 処分せざるを得なくなる・・・
その原因の、かなりの部分は 「まぁ カワイイ!」 という感情だけでショーケースに並んでいる生後30日の子犬を衝動買いする需要側(飼い主側)にある のではないでしょうか?
「売るからいけない」、「ショーケースに生後30日の犬を陳列するからいけない」 ・・・ だから悪いのはペットショップ側である ・・・ そのご意見も理解できます。
しかし、ペットショップは営利を目的としている訳ですから、「買う人がいなければ」 生後30日の犬を陳列したりしはません。
勿論、私は子犬を陳列ケースに入れて販売するという現在の方法を肯定する気は全くありませんが、生後30日や40日の子犬を買い求める人が誰も居なくなれば、好むと好まざるとに係らず、ショップ側も現在の販売方法を変えていかざるを得なくなると思うのです。
「生後8週齢までの販売を禁止」 などと規制をかけるまでもなく、飼い主側が 「カワイイ!」と言う衝動ではなく、「犬と、こんな暮らしがしたい」、「こんなことをしてみたい」 という夢や目的を、きちんと持ち、その夢や目的に合致した犬種を選定する意識をきちんと持つことが出来てこそ、上っ面の数字(○○週齢まで販売禁止等)だけではなく、「愛犬と共に暮らす意識」が動物愛護先進国である欧州に追いつくことが出来るのだと思います。
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by gundogclub
| 2011-07-13 09:03
| MY TALK