ONとOFF
昨年の3月末に北関東の保健所から我が家へ迎え入れた、イングリッシュ・ポインターのエステル。
来た当初は、とにかく痩せていて、筋肉も貧弱で、野原に連れて行ってもヨタヨタしていました。 また、走り方が、ぎこちなく 走り続けていられる時間も、ごく数分間だけでした。
ただ当初からレスポンスが良く、きちんと私の居場所を目で追って確認しながら (立ち止まってエステルが走るのを見ている訳ではなく、私も常時、意識して前後左右に場所を変えながら歩き続けているので) 走ることが出来ておりましたし、私とエステルとの距離がある程度、離れますと呼ばなくても自ら私の足元まで戻ってくるので、その点では非常に楽でした。
「保護ポインターだから、さぞかし呼び戻しの練習で苦労するかも・・・」 という覚悟をもって迎え入れたのですが、肩透かしを食った感じです。
この1年間で、エステルには様々なことを教えましたが 特に 笛による呼び戻し と 物を咥えて戻る に注力しました。
笛を使った呼び戻しに関しては、以前にも書いたことがありますので割愛させて頂き、今日は「物を咥える」ということに関して、お話させて頂きたいと思います。
我が家に迎え入れた当初から、エステルは ダミーなど筒状の物を投げると、駆け寄って咥えることが出来ました。
ところが、ボールを投げると、駆け寄るのですが咥えない・・・
フリスビーは目で追うものの、追いかけることもしませんでした。
当初、数日間は エステルと1対1で、テンションを上げて、明るく陽気に(苦笑)、たまには美味しいお菓子なども使いながら練習しようとしたのですが、これはあまり効果がありませんでした。
空を飛んでいる鳥や、林から聞こえてくる鳥のさえずり などが気になって、ほとんど興味を示さず・・・
私は、しばらく(数ヶ月) 呼び戻し練習などを中心とした練習に切り替え、「物を咥える練習」はしませんでした。
「馬を川岸まで連れて行くことは出来ても、水を飲ませることはできない」 って例え話もありますよね。
「物を咥える」ということは、必ず習得しなければならないメニューではありませんし、まぁ急いだり無理矢理なことをする必要もないかな・・・と。
そのうち、我が家での生活にも慣れ、フラウやクワンとの生活にも慣れ、少しずつエステルの本性が出てきました。
エステルって、ものすごく嫉妬深いんです。(笑)
エステルの目の前で、フラウやクワンを誉めたり、撫でたりすると 甲高い悲鳴のような声を出して悔しがるんです。
特に、年が近いせいか、クワンに対するライバル心は、並々ならぬものがあります。
そこで、再度 「物を咥える練習」 を開始しました。
今度は簡単でした。
ボールやフリスビーを咥えて私に、きちんと手渡しするクワンを大げさに誉めて、抱きしめたりしているのをエステルに見せつけましたら・・・ はい 数日でボールもフリスビーも咥えるようになりました。
フリスビーの空中キャッチもすぐに出来るようになりましたし・・・
ところが・・・
ボールやダミーやフリスビーを咥えて私の足元まで戻る途中に、エステルの視界に鳥(飛んでいたり、歩いていたり、木に留まっていたり)が入ると、咥えている物を口から離して、鳥の方へ行ってしまうんです。
これは、なかなか治りませんでした。
ロングリードを使って練習することも考えましたが、エステルはロングリードを見ると、ブルブル震えて尻尾が股の間に入ってしまうことが判り(過去に何らかのトラウマがあるのかもしれません) ロングリードを使った練習は可哀想なので、行いませんでした。
物を咥えて戻る途中で、鳥が視界に入っても、必ず口から離してしまう訳ではありません。
最初の数回は、鳥が見えても比較的、きちんと私の足元までボールやフリスビーを持ってくることが出来ていました。
ですから、当初はワンセット(ボールなどを投げる回数)を3~4回で終わりにして 成功させて誉める ことを繰り返しました。
それと同時に 「さあ 始めるよ!」 という言葉でボール遊びを始め、「はい終わり! もういいよ!」 という言葉で自由に遊ばせるようにしました。
「さあ 始めるよ!」 という言葉から 「はい終わり! もういいよ!!」 という言葉 までの時間をONの時間(お仕事の時間)とし、それが終わったらOFFの時間(遊び・自由行動の時間) にしたのです。
今では、エステルはONの時間には 鳥が居ても ほとんど気にせず、かつ尻尾をブンブン振って ボールやダミーやフリスビー遊びをする様になりました。
「はい! もういいよ!」 と言った途端に、鳥に向かってすっ飛んで行きます!(笑)
愛犬を常時、ONの状態にしておく必要はない訳ですし、 私は 「愛犬が自らの意思でONとOFFを理解できる」 ようになることが理想 だと思っています。
フラウ姐さんと野原を歩きますと、「フラウ 行くよ!」 と声をかけ 「はい 終わり!」 と言うまでの間は、お仕事モードのグラウンドワークをしてくれます。
私のコンタクトから外れることはありませんし、鳥(雉など)が草むらに潜んでいる場合は、きちんと停止してポイントの姿勢のまま、私を待ってくれます。
好き勝手に、どこかへ飛んでいってしまうことは、ありません。
ところが 一旦 「はい 終わり!」 と私が言いますと 勝手にフラッシュするわ (「はい 終わり!」と言った後は、なぜかポイントして私を待たずに、勝手に草むらに飛び込んでしまいます。これだけは治して欲しいデス:汗)、蛇やウサギを追いかけるわ、地面に背中をこすりつけるわ・・・もう、好き放題!!(苦笑)
ONの時間とOFFの時間の行動を、きちんと理解し区別することの出来るフラウ姐さん・・・
妹たちにも是非、その点は見習って欲しいものです。
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by gundogclub
| 2011-06-07 17:40
| エステル (EP)